数ある工芸品の中でも、たくさんの色の組み合わせが華やかな伝統工芸「組紐」。私たちのものづくりでは常に「色」がテーマになってきます。自社の商品作りはもちろんのこと、お客様との打ち合わせでも一番楽しい部分であり、一番難しいとも感じることの多いテーマです。
そこで以前よりご縁のある「色」に関しての専門家であられる能口祥子先生と、「色」をキーワードにしたイベントができたらとお話を進めていたところ、11月19日(土)と20日(日)の二日間、「紡ぐ色の物語」と題しましたイベントを開催する運びになりました。色を学び、色を楽しむためのこちらのイベント、今回は第一回目ということで、私たちが長年取り組んでおります自然の木々から「色」をいただいた「草木染め」の糸の展示を行います。
弊社で染色を行っております職人が京都の「梅染師 山本 晃」先生に師事して約4年。自然が有する美しい色を引き出す技法を学んでまいりました。今回これまでさまざまな素材で染めてきた絹糸の中から代表的なものを約25種展示いたします。科学の発展とともに人々はたくさんの色を自由に手に入れることができるようになりました。その一方で自然から美しい色を引き出すことができた感動は薄くなってしまったように思います。昔の人々が感じていた「色への憧れ」を今回の展示で感じていただけましたら幸いです。 そして能口先生には「色」の組み合わせを楽しく学ぶ「ひいな紙の色遊び」と「きものパーソナルカラー診断」を行っていただきます
着物と帯の色合わせをミニチュアで楽しめる「ひいな紙」。こちらは能口先生が収集した裂地の中から、お好きな着物の生地と帯地のハギレを選んで自分だけのコーディネートのひいな型を作れるワークショップです。周りを見渡すと本当にさまざまな色に囲まれています。色の組み合わせにルールはあるの?同じ色でも組み合わせが違うとこんなに印象が変わるのはなぜ?こちらのワークショップでは配色の不思議を法則やテーマに合わせて学ぶことができます。台紙に布地を張り込みながら、着物・帯・帯揚げ・帯締めの組み合わせを楽しくセンスアップを目指しましょう!
また会場ではパーソナルカラーに特化して色出しをした帯揚げ「ワタシイロ」シリーズの販売も行います。
紅葉が美しい秋の京都。昇苑くみひも 宇治本店では、こんなにも楽しい色への出会いをご用意しております。ぜひ宇治の町の散策と合わせてお立ち寄りくださいませ。
〇 イベント内容
【日時】2022年11月19日(土)・20日(日)
【展示】自然素材で染めた、25種類もの美しい絹糸とその素材の展示
・桜・梅・生藍・梅苔・蓬・茶・銀杏・日本茜・藤※比叡山の不滅の宝灯「煤染め(すすぞめ)」など
【ワークショップ】
◆組紐を使った「ひいな紙の色遊び」2,000円
◆きものパーソナルカラー診断 3,000円
◆お似合いの色で作る、結びのブレスレット作り330円(パーソナルカラー診断後のオプション)
※いずれも随時
能口祥子先生 プロフィール
「衣・食・住・心」に色彩の効果を活かし、“色から広がる心身共に豊かな生活“をコンセプトに企業、個人共に多様な色彩計画と色彩教育を行う。企業のカラーブランディング、商品企画、販売促進に伴う店舗ディスプレイやパッケージ、ラッピング等のデザイン、カラーコンサルタントなど多数手がける。また、企業研修、大学、専門学校にて、色彩学やカラーデザイン、スタイリングの講師を務める。2015年9月から、日本の色、和の色彩に特化した「きものカラーコーディネート講座」を東京・京都にて開催。伴い、きものカラーコーディネーター協会(KICCA) を設立する。
山本 晃先生 プロフィール
1943年 兵庫県生まれ
1958年 京都の叔父の紹介で天野木仙氏に入門1970年 別家独立。きもの工房「礎」を設立
1975年 染織のルーツをもとめて、エジプト、ギリシャ、イタリアを旅行
1978年 京都北野天満宮より剪定した紅梅を頂き紅梅染の研究に入る
1997年 梅染体験教室開校 梅染友禅更紗の技術を、京都染織試験場で指導
1999年 専門機関にて梅染成分テストにより、消臭性、弱抗菌性が確認される
2002年 京都シニア大学にて「梅染の不思議」講演
2004年 第二回環境経営大賞に梅香房が認定
2008年 京都市より、「伝統産業技術功労者」認定
2010年 平成25年伊勢神宮式年遷宮にむけ、「御神宝平緒の縫い糸」12色依頼を受ける